こんにちは。パン屋のぜにこです。
ウイルス感染が心配な今日このごろ、パン屋の前は公衆衛生学の研究なんてやっていたぜにこの目線で、
みなさんの疑問や不安にお答えしてみようと思います。
まず第1回目は、「なぜ手をアルコールで消毒するのか?」です。
わが国では「石鹸で手をあらおう」が小学校の時からの慣習ですよね。
でも、欧米ではもう一足踏み込んで
「温かい水で、20秒以上石鹸と流水であらう、または60%以上のアルコールをまんべんなく手につける」ことが推奨されています。
さて・・・なんで温水?
なんで石鹸がわりにアルコール?
と思いませんか?
実は、コロナウイルスだけでなくウイルスというのは、表面を「脂質」におおわれています。
こんな写真、最近良く見かけますよね。
コロナウイルスは、この表面のスパイク状のものが「王冠=crown」に見えるので、コロナウイルスと言う名前がついています。
で、このスパイク状の部分を含む表面全体が「脂質」・・・ようするに油です。
さてここで、話がそれるようですが
油がべったりついたお皿をきれいに洗おうとする時のことを想像してください。
カレーの後のお皿とかを思い浮かべてみましょう。
水だけで油を落とそうとする方は、あんまりいないと思います。
まず洗剤をつけますよね。
しかも冷水よりは温水のほうが、汚れ落ちがよくなることをみなさん経験上ご存知かと思います。
つまり「油」を落とすには、「洗剤」と「温水」。
ほら、先程の手洗いと同じですよ。
「油」の膜で包まれたウイルスを洗い落とすなら、
冷たい水よりは温水。
そして、水だけよりは石鹸をつけて、しっかりごしごし。
じゃあ、なんでアルコール?
実はアルコール(エタノール)は、特殊な性質を持っていて、油にも水にも溶けます。
せっけんと同じ役割をするんですね。
だから、アルコールでも油が落ちるんです。
またアルコールはウイルス以外の細菌などの膜を破って壊すことも知られているので
手にしっかりアルコールをつけることで、「油」であるウイルスを落としやすくすると同時にその他の雑菌もやっつけてくれます。
ぜにこが医療機関勤務の頃は、アルコールを付けてから石鹸で手洗い というのが習慣でした。
上記の説明をふまえると、この順番はとても理にかなっていますね。
ということで、かくれ家としては
「①アルコールを手につけて、②せっけんでしっかりごしごし20秒、③最後に温水で洗い流す」を推奨します!
だから、アルコールをお分けしてるんですよ☆
アルコールありますか?ってよく聞かれますが
アルコールなくなったらパン屋は営業できないですから
お店をやっている限り、みなさまが必要であればお分けします。
安心して、手洗いにしっかりアルコールを使ってください!
【参考リンク】
CDC: How to protect yourself and others
CNN Health: Why soap, sanitizer and warm water work against Covid-19 and other viruses
花王 医療関係者向け情報 アルコールと殺菌の話
コメントをお書きください
松村智子 (木曜日, 23 4月 2020 20:45)
とても分かりやすい説明ありがとうございました。早速実践しようと思います。ところで会社で外出先から帰ってアルコール消毒だけしている人がいますが効果はどうなんでしょうか?消毒しているだけで安心している人、結構いる様な気がします。テレワークが出来ない部署にいるので日々不安でなりません。
ぜにこ (土曜日, 25 4月 2020 15:46)
コメントありがとうございます!
アルコール消毒だけではダメ、ということはないです。
見えないですが、上記のようにアルコールで殺菌はできます。が、物理的に手洗いで流すほうがより効果があると思います。