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いよいよ第三波?

こんにちは、パン屋のぜにこです。

 

ちょっと久々になってしまいましたが、

公衆衛生を学んだもののはしくれとして、現在のコロナウイルスの状況についてすこし俯瞰しつつ、私見を交えてこれからの対応について考えてみたいと思います。

そろそろ寒くなってきたので、

例年であれば「そろそろインフルエンザの予防接種」とみなさんが思い始める時期ですね。

 

コロナに隠れてほとんど取り沙汰されていませんが、

今年のインフルエンザってどんな状況なのかな?とふと思って調べてみました。

引用:東京都感染症情報センター インフルエンザの流行状況(東京都 2020-2021年シーズン)

このグラフは、「1医療機関あたりのインフルエンザ感染者数の推移」です。

1つの線は、1つの年度に当たります。

横軸の数字は、直感的にわかりにくいですが「1年のうち何週目」かを示していて、たとえば2020年11月2日の週は「45週目」です。

今シーズン(2020)は、そんなわけで45のあたりで切れていますが「いまここ」で示した赤線です。

 

例年、44週(10月末)辺りから患者さんが出始めるかどうかという時期ではありますが

今年は11月に入っても、インフルエンザの感染者がまだゼロです。

 

みなさんの『マスク・手洗い・密をさける』の徹底が、きちんと感染対策になっているということですね。

これは公衆衛生の観点からはすばらしいことであります!

・・・とはいえ、各地で新型コロナウイルスの感染増加が見られ始めていますよね。

日経メディカルさんは、11月20日の記事で「第三波が来た!」なんていう見出しを付けておられます。

 

まあ、第三波というか、また冬が来たんだよねぇ・・・と思いますが・・・

そうです。昨年、中国で「新型コロナウイルス」が発生してから1年が経とうとしているんです。

 

一足先に冬が来る北海道では、すでに感染者数が増加し始めているようです。

そして気になる東京ですが・・・

上のグラフは、よくニュースなどで見る「本日の感染確認者数」の推移です。

確かに10月よりも増えてきていますね。

 

でも、これまでこのコラムで何度も言っていますが

感染拡大の傾向を見るためには

「新たな陽性者が何人(新規陽性者数)」が大事なのではなく、

「何人検査したうち何割が陽性なのか(検査陽性率)」のほうが、明らかに重要です。

 

ということで、次のグラフ。

これを見ると、検査した人の総数(オレンジの点線)が増えているので、

もし検査陽性率が変わらなかったとしても、先程の「新規陽性者数」は増えていくはず、ということがまず予想できます。

 

でも、よく見ると「陽性率(オレンジの実線)」も、じわ〜っとですが上がってきていますよね。

10月はだいたい5%台に収まっているのが、11月に入って6%台になっています。

 

これは、PCR検査を受けるべきと判断された、発熱など症状のある方や濃厚接触者のうちで

本当にコロナウイルスに感染している方の割合が、増えてきているってことなんです。

 

そして、再度「新規陽性者数」のグラフに戻ってみると

明らかに、11月に入ってから患者さんの数が増えている。

この原因は、検査総数自体の増加に加えて、陽性率の増加もあるということ。

 

結果として、陽性患者さんの総数が増えると、またも医療機関に圧迫が・・・という話になってきます。

このままいくとまた自粛期間が・・・??

いま、かなりやばい状況だと思います。

 

 

それと、ちょっと本題からずれますが・・・

このデータから思うに、インフルエンザとコロナウイルスは感染経路が違うんじゃないかと、思わざるを得ないですね。

どちらも飛沫感染・接触感染がメインということになっていますが、それだったら同じような推移をするはずだと思うんです。

実際、じゃあどうなっているのか?というのが気になりますが、わたしには検証するすべがないので、なんともわかりませんが・・・。

さてここからは、公衆衛生の観点と、商売人の観点を交えて、ぜにこ的見解をお話します。

あくまで私見です。

 

 

「Go toとかやったのがいけないんだ」という世の風潮に、

そんなのわかってたじゃん と思います。

わざわざ全国民に「自粛」を要請して感染拡大を防止したのに、

また人を動かしたら…しかもこんな冬の時期に…

感染が広がるのは、わかってたんです。

政府も、きっと。

 

でもこのまま「自粛」を続けたら、

わたしたちみたいな小規模なお店だけでなく、ありとあらゆる産業が立ち行かなくなってしまう。

 

 

感染予防をとるか?経済を取るか?

 

 

どっちも大事だし、どっちが先ということもない「にわとりとたまご」みたいな話です。

経済が死んでしまうと、入ってくるものも入ってこなくなっちゃいますから、実際問題 致命的です。

 

でも、ここでいう感染も経済も、

「わたしひとり」「あなたひとり」のことではないんです。

日本の経済、日本全体の感染率 の話です。

 

 

じゃあ自分はどうするか。

それは自分で考えるしかない。

 

 

ぜにこ自身は、旅行には行きません。

実家にも帰りません。

日本の旅行産業のためにお金を使ってあげなければ、ということ以前に

わたしは自分の店を守り、スタッフを守り、お客さんを守る責任があるので、リスクは取れません。

 

飲食店での外食はたまにしますが、席のとり方はけっこう気にします。

マイ消毒液も、マスクカバーも、常に携帯しています(パン配達のときも!)。

見えないものに対抗するには、常時「そこにウイルスがある」と意識している必要がありますから。

上記のとおり、コロナウイルスは感染経路も実際のところよくわかりませんし。

 

 

わたしの場合には「守るべきもの」がまず「お店」なので、こういう対応ですが

みなさんにこうしろというわけではないです。

 

 

でも、それぞれ「守るべきもの」がなにか、再度よく考えてみてほしいなとは思います。

 

 

守るべきものの優先順位は?

いま自分がやっていることに矛盾は、ほころびはないか?

 

こういう観点で、いまあらためてご自身の「感染対策」を見直してみてはいかがでしょうか。

もしかしたら、それが他者とは相容れない可能性もありますが・・・。

 

できれば、みんなの幸せを考えた対策をお願いしたいですけど、ね。

 

【参考リンク】

東京都感染症情報センター インフルエンザの流行状況(東京都 2020-2021年シーズン)

東京都新型コロナウイルス感染症対策サイト 都内の最新感染動向