王様のかくれ家の店主 わたくし「ぜにこ」こと錢谷は、公衆衛生を主な研究フィールドとして生きてきた医学研究者です。
公衆衛生とは、ざっくりいえば「社会全体としての人々の健康を維持する」ことを目的とした医学の分野です。
古くはペストやコレラなど、細菌感染症への対策から始まり、
現在では、私が関わってきたことを例に上げると
救急医療の最適化のための制度設計、高額な医薬品の費用対効果の検討、まれながんの早期発見・治療のための体制整備などなど、
幅広く社会における医療を最適化することが我々の役目です。
わたし自身、パンを焼きながらも、年に数回は公衆衛生学の専門家として、先端医療の審査委員としてのお役目もいただいています。
そんなわたしがパン屋をやっている以上
お客さまには安心してパンをお求めいただけるように、最善を尽くそうと思っております。
感染の拡大状況や政府の方針などを鑑みながら、随時対応をしていきたいと思いますが、現状では下記を当店のポリシーとさせていただきます。
こちらに、専門家目線での感染対策コラムも綴っておりますので、ご参考まで。
【お客さまへのお願い】
【スタッフ側の感染予防対応】
上記の対応を、ウイルス感染が国内で収束する見込みが立つまで、もうしばらく継続いたします。
何度もリピートする緊急事態宣言、ワクチン接種の広がりなどで、なんとなく皆様の気持ちは緩みがちになっているような気がしています。
もちろん、わたしたちも「来てきて!」と言いたいけれど、行列ができて密になってしまっては困ります。
公衆衛生の観点からは、まだまだ簡単に来てきて!とは言えない状況だと思っています。
そこで、「ご予約最優先での入店」を徹底しております。
以前から続けている「ひと組ずつの入店」に加え、ご来店いただくみなさまにはご不便をおかけすることもあると思いますが
なによりもみなさまご自身の健康を思ってのことですので、どうかご理解いただければと思います。
また、自分が専門家としてできる最大限のこととして、
コロナウイルスの発生が報じら始めた時から、 各種医学論文や海外の機関(WHO:世界保健機関およびCDC:米国疾病予防管理センター)の情報を中心に、正確な情報を集めようと尽力してきました。
コロナウイルスが主に飛沫感染であることを考えると、当店は売り場が大変狭く、一度に3名以上の大人が入店された場合、満員電車に近いギュウギュウの状態になってしまいます。
そこで、万が一のお客さま同士の感染を予防するため「ひと組ずつのご入店」をお願いすることとしております。
グループでの入店はOKですが、3名以上で入店されますとすでに「密」ですし、
パンにむかってお話されると飛沫の飛散が心配ですので、できるだけパンに顔を向けてお話になることはひかえていただけるとより安心です。
また、パン屋で皆さまが手にとって共有するものはトングとトレイです。
トングとトレイはスタッフが常時アルコールにて消毒しておりますが、
お客さまもこれらを触る前に、手指の消毒をしていただくことで、さらに感染を抑える対策になると考えます。
ビニールに包まれているパンも、お買い求めになるもの以外は素手で触れていただかないほうが安心です。
会計時、現金も感染源となることから、できるだけキャッシュレスをお願いすると同時に
スタッフが毎回触るiPadレジや、お客さまに押していただくクレジットカードの暗証番号を入れる機材も、会計ごとに消毒することで
手指からの感染を予防しております。
マスク着用については、
スタッフへのウイルス付着を抑えるという意味でスプレーマスク(資生堂IHADA)を利用しています。
さらに物理的にサージカルマスクを着用することで、飛沫の飛散も抑える努力をしています。
スタッフ全員には、もしコロナウイルス感染の症候(味覚異常、発熱・せき・倦怠感など)がある場合には原則出勤しないこと、もし家族に同様の症状がみられて本人には症状がない場合にはマスクを着用すること、を周知しています。
さらに、6時間おきの検温により、スタッフの体調を店舗でもチェックし続ける体制としています。
現状、できうる限りの対策として、上記のような対応といたしました。
お客さまにはいろいろとご不便、ご迷惑をおかけすることになりますが、何卒ご理解いただき、
美味しいパンを召し上がってしっかり体力と体温を維持し、免疫を保っていただきたいと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
王様のかくれ家 店主
錢谷聖子
Master of Public Health(公共健康医学修士)
東京大学医学系研究科公共健康医学専攻 第一期修了生